シンシアブログ
コリネバクテリウム感染症…調べてみました。
ノラ猫からCorynebacterium ulcerans(コリネバクテリウム・ウルセランス)という細菌が感染して亡くなられた方が出たというニュースがありました。
国立感染症研究所や厚生労働省のホームページで調べてみました。
C.spp(コリネバクテリウム属)はもともと人の皮膚・粘膜・腸内に常在していて、病原性は弱く感染症を起こすことは稀の様ですが、その中でもある種のものは毒素を産生し重度の感染症を起こしまた抗菌剤に耐性を示すようです。毒素産生性の菌の遺伝子がバクテリオファージを介して毒素非産生性の菌に組み込まれて毒素を産生するようになるようです。
症状は同じ属のCorynebacterium diphtheriae(ジフテリア)と類似していて、呼吸器感染の場合は風邪症状からその後咳や咽頭痛や咽頭・扁桃の白苔などが認められ、重篤な症状の場合呼吸困難を起こし死に至る場合もあるそうです。治療法はマクロライド系抗菌剤で回復例が報告されているそうです。
感染経路については主に牛や犬猫など様々な動物を介するそうで、人から人への感染は非常に稀だそうです。国内での感染事例の多くは犬・猫からの感染であり、特にC.ulceransに感染した動物(くしゃみ・鼻水などの風邪症状や皮膚病のある)に接触する場合は注意が必要ですが無症状の保菌動物も報告されているようです。
過度に神経質になるのではなく一般的な衛生管理を保ちましょう。動物に対し過度な密着は避けて、触れた後はきちんとうがい・手洗いをしましょう。具合の悪い方や抵抗力の弱い高齢者・幼児は特に症状のある動物に触れる時は手袋・マスクが必要でしょう。くれぐれもパニックにならないで冷静に対処して頂きたくお願い申し上げます。
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シンシア動物病院
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