2023/09/26
★当院は皮膚疾患の診療に力を入れています。
ペットが罹患する皮膚病には400以上の種類の疾患があり、ペットの皮膚病に関しての知識のない方からすると、犬や猫を見ただけではどんな疾患に罹っているかなど詳しい状態の把握が難しい場合が多くあります。
当院では皮膚科には特に力を入れて診察を行っており、寄生虫、細菌・真菌感染症、アレルギー疾患、内分泌疾患、先天性要因、腫瘍、精神的要因など様々な原因から来る皮膚病をしっかりと見極め、的確施術してまいります。
《シンシア動物病院のこだわり》
◎見落とされやすい外耳炎では、外耳道の洗浄をこまめに施し耳道内を清浄化して良い結果を得るなど丁寧な治療をしています。
◎アトピーなど慢性的皮膚病には定期的に薬浴をして皮膚状態の維持をお勧めしています。当院でトリミングをされるペットは皆さまナノバブルオゾンシャワーを使い皮膚の活性化を促進しています。
◎また定期トリミングを介して、皮膚だけでなく総合的検診をしていち早く疾患を見つけるよう努めています。
◎転院で来られたような慢性化・重症化した皮膚疾患の患者さんには、皮膚専門病院を連携を取り、早期診断・最短治療に努めできるだけ費用をかけないよう努力しております。
皮膚病でお悩みの方は、まず当院にご相談ください。犬・猫のトリミングも承っています。
★トリミングやしつけ教室を通してペットの健康管理をしています。
シンシア動物病院では積極的にトリミングをお受けしています。動物病院でトリミングをする意味は?前にも申しましたように、特に皮膚疾患のペットにとって適切なシャンプーによって皮膚を清浄に保つことは皮膚治療の重要な要素になります。また皮膚の状態を把握する事で早期に治療を開始・変更を行え早期治療につながります。皮膚だけでなくトリミングの際のペットの異常、たとえば眼科・歯科疾患、呼吸異常や運動器の異常など…いち早く発見する事が出来ます。トリミングを通しての健康管理はペットの長寿にきっと役立っていると考えております。
当院ではペットショップで断られることも多い猫のトリミングも承っています。(但し、猫の性格・毛玉など被毛の状態の悪い場合は猫のストレスを考え、鎮静処置をする場合もあります)
また各種資格をもった先生(ベテランVT)が定期的に『しつけ教室』を開催し、子犬の頃から他犬との関わり・社会性を学び都会で楽しく暮らすスキルを身に着けてもらうようにしています。また、最近多いペットの『飼主さんとの分離不安症』などの都会ならではのお悩みにも対応させて頂いています。
ペットホテルも承っております。急なご用向きの時などお気軽にご相談ください(但しワクチン接種済み、など条件がございます。)
横浜市南区・港南区にお住まいの方、病気の事だけでなく、トリミング・しつけやペットの飼育に関しての事…何でもお気軽にご相談下さい。それぞれのスペシャリストがご相談に乗らせていただきます。
★寄生虫による皮膚病
①動物に見られる外部寄生虫
・ダニ類
・ノミ
・シラミ
②外部寄生虫の感染症にたする役割
・機械的伝播…外部寄生虫(ノミ・ダニなど)がベクターとして機械的に病原体(細菌・ウィルスなど)を運搬する。
・生物学的伝播…病原体がベクター体内で増殖して、人などの動物にベクターが規制する際に感染する。
③ノミ・ダニが媒介する感染症の例
◇ノミ ・ペスト 細菌
・バルトネラ(猫ひっかき病) 細菌 など
◇ダニ ・ツツガムシ病 ツツガムシ病リケッチア
・ライム スピロヘーター科ボレリア菌
・回帰熱 〃
・日本紅斑熱 リケッチア
・重症熱性血小板減少症候群(SFTS) SFTSウィルス など
④ノミ(flea)
卵→幼虫→蛹→成虫 成虫のみが吸血し長期間宿主に寄生する。アレルギーの原因となる。
⑤ダニ(tick)
節足動物、クモの仲間。
野外に生息するマダニの多くは生涯で3回吸血し、2回脱皮する。生存には湿度・温度が重要。
マダニの刺咬時期は4月頃から始まり、7・8月がピークになる。
⑥マダニ対策
薬剤で予防が可能。
雨上りの草むら・畑などは避ける。人は素肌をできるだけ隠す。出かけた後はボディチェックをする。
表面に付着しているものはブラッシングやjテープで除去、食いついているものはピンセットなどで食いつい ている部分から取り外す。素手で触らず、決して潰さない。
この時期ペットが野外に出る機会が多くなると思います。
近年騒がれているダニが媒介する感染症は主に西日本ですが、実は東日本のペットもかなりこれらダニの抗体を持っている事が調査でわかったそうです。…という事はいつ発症してもおかしくないわけですね。
人の場合、直接ダニに刺されて感染する場合と、ペットから感染する場合(ダニとりなどで)が考えられます。取扱いに注意されたうえで野外活動を楽しんでください。
左:ペットについていたノミ。体表を移動する事による掻痒感やアレルギーを引き起こす。
中:ペットの頭部に喰いついたダニ。局部に炎症を起こしたり、ウィルスなどを媒介して病気を引き起こす。
右:ペットの皮膚から除去したダニ。ダニの頭部を残さない様注意して除去する。
左:皮膚に寄生する疥癬ダニ。激しい掻痒感と炎症を引き起こす。
右:毛包に寄生するアカラス(毛包虫)。多くは自然に持っているがストレス・免疫力の低下などにより増殖して症状を引き起こすといわれている。
《 症例その1 》
ボーダーコリー・オス・14才半
夏の初めより激しい掻痒感、近所のVETにて治療するも漸次悪化し同居犬や飼主にも痒みや湿疹発症。
当院来院時の症状は、耳介・肘部・顔面にて脱毛と大量の落屑・発赤と激しい掻痒感あり。臨床症状より皮膚疥癬症を疑い、皮膚スクラッチ検査をするも検出できず。
診断的治療としてイベルメクチンとその他抗生物質と痒みの対症療法を行い、一週間経過を見ることになる。一週間後には皮膚症状は劇的に改善し、その後3度の駆虫処置を行う。以後飼い主の都合でその後は診察できず。結果として、皮膚疥癬症と診断した。
★アレルギーによる皮膚病
左:ノミ寄生により腰背部・臀部を中心に掻痒感があり、自虐的に咬んだり掻いたりする。
中:部分的に舐めこわし、脱毛している。
右:胸腹部を広範囲に、痒み・発赤・脱毛などの症状が見られた。
左・中:散歩から帰ると左顔面が著しく腫れていた。原因不明のアレルギーと思われる。
右:ドックランから帰宅すると体幹中心に全身に結節ができている。蕁麻疹と思われる。
左・中:下腹部~臀部にかけて広うもうして範囲にかゆみを伴う湿疹がみられる(粟粒性)。
舐めこわして広く脱毛してしまっている。
右:接触によるアレルギーが疑われる。後足で掻きこわして著しい潰瘍になっている。
★その他の原因の皮膚病
左:手掌部の皮下広範囲に炎症・壊死を起こしている(蜂窩織炎)。
中:肛門腺嚢が化膿脱落して会陰部皮膚が自潰してしまっている。
右:皮脂性嚢胞。内部に白色の皮脂が詰まっている。
左:長毛たれ耳の犬の外耳道は蒸れて不潔になりやすく、外耳炎を起こしやすい。
中:熱湯を浴び熱傷を起こし、皮膚が壊死してか非常になっている。外科的に形成術を施行。
右:管理不足で毛玉を作り、またノミアレルギーを起こしている。ノミ駆除と薬浴を施行。
★甲状腺機能低下症による皮膚病
《 症例その2 》
シェルティー・オス・8才、メス・6.5才
オスは2〜3年前より皮膚炎発症し真菌症の診断で1~2回/週の頻度で薬浴するも改善見られず。来院時は全身の膿皮症と痂皮形成・色素沈着・落屑と軽度の掻痒感あり。メスはさほど掻痒感なく、被毛は脱毛・粗毛で色素沈着が見られた。どちらも肥満傾向にあり甲状腺ホルモン低下症を疑い、薬浴等対症療法と同時にTSHとT4測定を行った。結果TSH高値・T4低値の結果により、甲状腺機能低下症の診断をし、ホルモン剤投与により皮膚も好結果を得られまた生活態度でも活発になったとのこと。他にこの子らの子供2匹らもホルモン測定したところ、見な一律に低下症が見られたことより家族性の疾患と思われる。