2023/11/04
室内で起こりやすいペットの事故
昔は外での事故が多かったものです。交通事故・水難、外傷や犬や猫どうしのけんかなどなど…しかし、最近は室内飼いのペットが多く、飼い主さんの目を離したすきにとかお留守番中に思わぬ室内事故にあうこともあります。
窓やベランダからの落下やお風呂場で溺れる、電化製品からの感電、お留守中の熱中症…けれど何といっても一番多いのはペットの誤食でしょうか?
人の食べ物の盗食や観葉植物などのうち毒性のある物の誤食、遊んでいるうちのおもちゃの誤食など…月に一件位はそういった相談や急患をお受けします。もちろん様子を見ていただいても良い場合もありますが、急いで吐かせなければいけない物や吐かせてはいけない物などもあります。人間では問題ないものでもペットの体重からして過剰摂取になってしまうもの、代謝の問題でペットには毒性を示すものなど様々です。
そんな時は決してご自分だけで判断はせずすぐに専門家の指図を仰ぎましょう。土日・祝日も通常通り20:00まで(受付19:30まで)対応している当院は、そんな急な診療にも対応しております。「こんな事で相談したら怒られるかしら…」などとご心配はいりません、院長をはじめとしたスタッフが親切・丁寧に応対いたします。困ったことがあったら、ぜひシンシア動物病院を思い出してください。
ペットが中毒をお起こす食品や植物
《ユリ科植物》
よく切り花で室内に飾ってしまうユリ科の植物は、根だけでなく葉や花にもペットにとっては毒性があり、特に猫には腎毒性が強いようです。花粉を舐めてしまった・葉をかじってしまったなどのトラブルが目立ちます。ペットがいるお家では、切り花・観葉植物などあらかじめペットに無害かどうかチェックしておくとよいでしょう。水仙・すずらん・彼岸花などもいけないそうです。
《ネギ類》
たまねぎが犬・猫に良くないのは割と知られています。たまねぎの化学物質が溶血性貧血を引き起こします。犬では15〜30g、猫で5gといった少量でも血液検査上で異常が認められるとされています。生で食べるのはもちろん人が作る料理の材料で接種してしまうという場合もありますので、充分注意する必要があります。
《ブドウ・レーズン》
近年ブドウ・レーズンによる中毒も報告されているようです。中毒の原因物質はブドウに付着しているカビ・農薬などと考えられていますが、詳細はまだ不明の様です。
人では全く問題のない食べ物でも、ペットにとって有害の場合もあります。安易に人の食べ物をペットに与えない様注意しましょう。
《チョコレート》
海外ではクリスマスなどのお祝いの際チョコレートを多食したペットの急患が多いそうです。チョコレートに含まれるカフェインなどの成分の過剰摂取により中毒を起こし、急性の消化器や循環器症状や神経症状を起こす恐れがあります。チョコレートの種類やカカオの濃度によってカフェインの濃度は異なり、少量でも中毒を起こす場合もあります。間違って食べてしまったら、まずその量・種類を把握したうえで動物病院等に相談しましょう。
《キシリトール》
キシリトールは人では食品・口腔ケアに一般的に使用されていますが、犬においてはその代謝が異なり中毒を起こす恐れがあります。キシリトールがインシュリン分泌を促し低血糖を起こしたり肝不全を引き起こす危険性があるようです。大量にキシリトールを接種してしまっらまず動物病院へ相談しましょう。
《ホウ酸中毒》
ホウ酸と小麦粉から作る手製のゴキブリ除去剤を食べてしまったなど事故がありました。ホウ酸には細胞毒性があり、嘔吐・下痢・嗜眠や神経症状などの中毒症状場合があります。いつどのくらい食べたかなどできるだけ正確な情報をもって、動物病院に相談しましょう。
《エチレングリコール中毒》
エチレングリコールは無色無臭の液体で自動車の不凍液や保冷剤などに含まれます。甘みがあるためペットが誤って舐めたりする事故があります。エチレングリコールは消化管から急速に吸収され、大部分は未変化のまま尿中に排泄されるが、代謝されると腎障害・中枢神経抑制などを引き起こす。
誤食により腸閉塞を起こした事例
①線状異物
➁梅干しの 種
③糸付き縫い針
➃ゴム風船