とても胸が痛い…

動物病院であるならペットの死に面することは避けられないことです。そのペットの死を悼むと同時に飼主さんの心の痛みに少しでも寄り添いたいとは常々思っていました。が、やはり自分のペットがその死に臨んでいる今,それは思い上がりだったとわかります。

私のシャムネコが2週間前に大きな発作を起こしました。丁度娘が一月の研修に出発した直後でした。今までも小さな脳発作がありずっとステロイドを定期的に使ってそれなりに安定していました。が、今回の発作は今までにない大きなもので、硬直性の痙攣を起こしその後昏睡状態になりました。レントゲン・血液検査をしても大きな原因もなく明らかな脳発作です。自分で呼吸もしおしっこも作りたべる事ができない以外は体は正常に働いています。体に触れれば反射はします、けれど横臥位のまま呼びかけに答えることもなく食べることも飲むことも全くできません。点滴で何とか命を繋いでいますが、全く食事もとれず意識も混迷としていていわゆる植物状態です。

先住猫の２年後に来た、華奢で小さな体の大人しい子でした。いつも先住猫の陰になり自己主張もしません。決して咬むこともなく手を差し伸べると優しく舐めてくれるかわいい子でした。手間が掛らない分、少しおざなりにしてしまったことが悔やまれて仕方ありません。本当はもっと甘えたかったのかな？もっと撫でてあげればよかった。後悔ばかりのダメ飼主です。静かに横たわったまま日に日に痩細っていき、今静かにその命の灯が消えようとしています。とても心が痛いです。