腫瘍・癌

  ★腫瘍・癌 その検査

皮膚などにできる腫瘍は、健診の際やご家庭で見たり触ったりで気づくことができますが、内臓や血液の腫瘍は外からは見えず、レントゲン検査や具合が悪くなって初めて気づくことが多いようです。

人の場合と同様ペット界でも、尿検査や血液検査である程度がんの存在を検出できるようになりました。手軽にできる反面、その精度やどこの癌かの判断にはまだ未知数のところがあるようですが、愛犬家・愛猫家の方にとっては朗報なのは間違いありません。

PEE CHECK
尿中のアセスミンという物質を検出することで、体内の炎症や腫瘍の有無を測る検査。
注文してキットが届いたら、飼主さんがペットの尿を採取して送ると、後に結果とコメントが送られてくるという、手軽な検査です。

リキッド・バイオプシー
血液中のマイクロRNAを測定することで、特定腫瘍の検出をします。採血するため動物病院を通すことになり、手間と費用が掛かかります。特定の腫瘍を選択したうえでのピンポイントの検査になりますが、精度は期待できます。

ケーナインラボ 遺伝子検査
遺伝子検査を通して、リンパ系腫瘍・膀胱癌・消化管腫瘍などの検出を行います。

 

 

 ★腫瘍で来院された症例

腫瘍の治療の基本はやはり切除する事がベストですが、ペットの全身状態・腫瘍の性状やできた部位・転移の有無などの要因により切除困難な場合もあります。切除ができない場合のその他の治療としては抗癌剤の使用・免疫療法・放射線治療…etcがあります。当院で対処困難な症例では、2次病院や高度医療センターと密な連携をとり、費用の面も含めペットと飼い主さまにとってできるだけ納得できてベストな方法をとれるよう努めています。

 

   

左:硬口蓋にできた潰瘍型の悪性腫瘍
中:猫の鼻孔にできた腫瘤
右:舌裏側にできた潰瘍を伴う腫瘍

 

   

左:乳腺にできた腫瘍の塗抹標本。大小不揃いで分裂像も見られ、悪性度が高い。
中:犬の乳腺にできた巨大な腫瘍。ペットでは時として巨大化するまで放置されることがある。
右:血液にみられる腫瘍細胞。貧血を伴う。

 

   

左 :オス猫にできた乳腺癌、大変珍しい症例。
中右:猫の肝臓にできた嚢胞。
   悪性腫瘍ではないが巨大化して周囲を圧迫していたので、大きく肝臓から切除しなければならなかった。