2024/10/08
Sくんは大柄の気のいいオス猫くん、おしっこする時間が長いとの主訴で来院されました。確かに排尿はしているようなのですが出かたが細いので、試しに尿道にカテーテルを通してみると少し詰まりかけの部分がありました。そこを開通して圧迫排尿して…とここまで無麻酔でやらせてくれる大変よい子でした。尿にはやはりストラバイトが溜まっていたので、食餌療法で様子を見ることにしました。
しかし、繰り返すこと3回になったので、短期入院をしてカテーテルを留置して膀胱洗浄をしながら尿道を休ませることにしました。知らない場所に入院させられて恐かったでしょう、治療のためケージから出すと一応「シャー」と威嚇してはみせるものの、その後は抵抗もせずなすがままの愛すべき猫くんでした。ただし食餌療法が難しく、全くといっていいほど処方食を食べてくれません。結果完全に膀胱内の尿砂が消えないままの退院となってしまいました。
現在排尿は順調だとの事ですが、体質を変えないとまたいつ詰まるかも分かりません。最悪手術も考えなくてはならないので、Sくんの嗜好が変わってくれるといいのですが難しい所です。
上記の泌尿器疾患に加えて、この時期多いのがペットの発咳です。
今日も朝から2件の発咳の子が来られました。いずれももともとやや肥満気味の興奮症の子で、気圧・気温・湿度など様々な要因で悪化した模様です。鎮静作用のある鎮咳剤で対症療法をします。両犬とも高齢の飼主さんが飼われているので、飼主さんの睡眠や健康にも影響してくるので心配ですね。
加えて悩ましいのは難治性の下痢です。
子犬・猫ならまずは寄生虫を疑い、成犬・猫なら対症療法で様子を見ます。しかしなかなか治らない下痢というのは要注意です、重病が潜んでいる可能性があります。血液検査や超音波・レントゲン検査をして当院でできることをしますが、やはり確定診断をするのに高度医療病院をご紹介したりすることもあります。特に難しいのは腸管型リンパ腫の類で、過去に3件の柴犬で診断されました。いずれの子もまだまだ中年以下の子で、ステロイドや抗癌剤治療をしてみたものの必ずしも予後はよくありませんでした。最近診断されてしまった柴犬のMくん、これから長い治療が始まります。頑張ってほしいものです。
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シンシア動物病院
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