2021/06/06
最近とても悩まされているのが猫特発性膀胱炎(FIC)です。
難治性あるいは反復して血尿や頻尿がおこるのです。尿検査・レントゲン検査・超音波検査をしてみてもはっきりとした原因は見つかりません。培養しても細菌感染もなく、結晶は出たりでなかったり、治療をして改善はしても繰り返します。ストレスですねと片づけられないのが辛いところです。ネットで見ても他の獣医さんもかなり苦労されているようです。
何か見落としがあってはいけないし飼主さんの希望もあり、とうとう院長は2次病院の泌尿器科に飼主さんをお連れして受診してきました。結果的にはやはりはっきりした原因はなく、特発性(つまり原因不明)の膀胱炎との診断。よかったのか悪かったのか、しばらくは対症療法で様子を見るしかありません。強いて言うならば飼育環境の改善、猫のストレスの除去(これがまた難しく、どうも新しく別の子猫を飼われたそうですがその子との折り合いも…)、食餌療法と飲水量を増やすよう努めていただくなど、治療以上に大切になってきます。
実はこのストレスからくる疾患は膀胱だけではないようです。猫によっては嘔吐・下痢などの消化器にきたり、喘息など呼吸器にきたり、特発性の(舐性)皮膚炎をおこしたりと、それぞれの弱いところに発病するようです。この一連の傾向をパンドラ症候群というのだそうです(猫の臨床専門誌Felisより)。
一筋縄ではいかない猫さまですが、そこが魅力でもあるのですね。
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シンシア動物病院
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