狂犬病予防接種はやっぱりした方が良いのでは？と思うわけ

出所は確かではないのですが、おそらく動物関係の雑誌への投稿にこんな体験談が載っていました。

昔まだ日本に狂犬病が発生していた頃、その予防の目的で野犬が捕獲され殺処分されていました。中には病気の子もいればそうでない子もたくさんいたでしょう。また、今ほど係留して飼うことが厳しく定められていなかったので、飼い犬も自由にしていて間違って捕らえられていたこともあるようです。

そんな中、未就学ぐらいの女の子が野犬に咬まれてしまいました。数匹の犬は捕獲されましたがどの犬が咬んだか分からず、その子が狂犬病に感染したのかどうかは時間が経ち症状が出なければ分かりません。しかし、もし感染したのなら！一刻も早く血清を打たなければ100％死亡します。医師が勧める中、その子の母親は悩みます。何故ならその頃、狂犬病の血清を打つと将来跛行(びっこ)になってしまうという噂(定かではありません)があったからです。もし感染していないのに接種してびっこになってしまったら…。親として悩みに悩んだのでしょうが、結局血清を打たなかったようです。結果は最悪のものになってしまったと書いてありました。

日本は50年以上もの間狂犬病の発生のない、アジアでも珍しい狂犬病清浄国になっています。これはとても稀有なことです。島国という事も幸いしたのでしょう、厳しい検疫を行っている成果もあるでしょう。けれど、過去にこういった悲劇の上に今があり、私たちはその恩恵にあずかっているのも確かです。

狂犬病に感染するのは犬や猫だけでなくコウモリなどの野生動物など哺乳類全般に感染します。当然人にも感染する人畜共通伝染病です。犬だけ接種が義務付けられているのはおかしいと思うかもしれません。けれど、一番人に近く生活するのは犬です。そして発生国からいつ何時感染動物が入ってくるか、また野生動物から発生するか分かりません。その時、犬の命も人の命も守るためにも、最低限私たちにできるルール(ワクチン接種)を守ることは必要なのでは？と思っています。