たかが便秘されど便秘

人間でも何日も便秘が続けば辛いのはよくお判りでしょう。特に高齢猫では便秘はよく見られ、本人と飼主さんを悩ませてしまう症状です。もともと飲水量も少なく便が固くなりやすい猫は、年齢と共に筋力も落ち運動量も減り排泄する力も落ちてくると、ますます便秘に拍車がかかります。

巨大結腸症などと明らかな疾患とみられる場合、直腸切除術などの外科手術で対処できる場合もあります。清水の舞台から飛び降りる覚悟で、何年も便秘に来るしんだ猫んに手術を受けさせたある飼主さんは、術後の生活が一変したことで院長の手を握らんばかりに喜んで下さいました。

便秘の猫は、力んでも便が出ずトイレでいつまでも気張っていたり、食欲が落ちたり時にによっては吐いたりもします。尿閉のように直ぐに命に関わるわけではありませんが、その不快感と言ったら…毎日が憂鬱になってしまいます。飼主さんも緩下剤を与えたりマッサージをしたり、そして何よりもペットが苦しむ姿を見るのは、自分のこと以上に苦しいかも知れません。また、浣腸をしたり、便を掻きだす治療もペットを苦しめるこのになりかねません。

今晩も、急患で便秘の高齢猫さんがやってきました。もともと便秘がちでしたが夜になっても苦しんでいる愛猫を見て、飼主さんは居ても立っても居られないお気持ちだったのでしょう。レントゲンで宿便を確認して、鉗子で届く範囲の便を掻きだします。可哀そうだけれど嫌がる猫を飼主さんと一緒に押さえつけて処置をしました。高齢のため手術の適用外かもしれません、何とかしてあげたいけれどなかなか調節が難しいのが残念です。たかが便秘されど便秘…の悩みは続きます。

                  

 

 

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シンシア動物病院
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