「悲しきマングース」

少し前の新聞記事に載っていたのですが、大阪公立大の研究で猫の避妊手術から得た子宮から良質のIPS細胞を得ることができ、再生医療の研究で利用できる可能性が出てきたそうです。いずれは猫の腎不全の治療に貢献できるかもしれないとの事。不幸な猫を増やさないという避妊手術から再生医療の研究が進むのは、動物の命を無駄にすること無くさらに医療発展の恩恵を受けられるという、2重の良い結果が出うることに驚きと喜びを感じました。

一方、別の記事では環境省が奄美大島でマングースの根絶宣言をしたとの記事があり、その件につき読売新聞の「よみうり寸評」にコラムが載っていました。「みんなのうた」の「悲しきマングース」歌によせて、マングースの悲哀を語ったものでした。マングースはもともとはハブの駆除のために、沖縄に始まり奄美大島に持ち込まれた外来種だったそうです。ところが、夜行性のハブに対し昼行性のマングースは天敵になりえませんでした。マングースは代わりに絶滅危惧種のヤンバルクイナやアマミノクロウサギなどを襲い、一転害獣として駆除の対象になってしまったそうです。しかも、マングースのみならず野猫もその駆除の対象とされ、ボランティア団体が必死に阻止をしようとしているようです。希少種の保存は大切なことでしょう、しかし特定種を守るため他種を安易に駆除する行為にどれほどの正当性があるのか?と私も考えてしまうのです。

 

畑の中にうずくまる マングースの悲しみは空の月さえわからない インドはデカン高原を遠く離れて来たけれど ここは沖縄ハブの島 皮をはがれてこの姿 マングースのかなしみを 明日はどなたか消すのやら…  「悲しきマングース」より(前史郎さん作詞)

                    

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シンシア動物病院
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